雇用保険を受給していない人
雇用保険の恩恵を受けられるのは、雇用状況が厳しい時代では
恵まれた人達と言えるでしょう。
しかし、企業も生き残りのため正社員をギリギリの人数まで
削減しており、非正規従業員に仕事を依存している比率が
高まる一方です。
こういった事情を踏まえて、政府も雇用対策に本腰を
入れてくれるようになってきました。
今まで雇用保険の給付条件を満足できず、正社員と同じように
働いてきたにもかかわらず、給付金がもらえなかった
契約社員や派遣社員の方も、規制が緩和されて
雇用保険の給付金の受給がしやすくなっています。
雇用対策の拡充に伴い、雇用保険を受給していない人には
新たにセーフティネットが用意されています。
最近の雇用対策で改善された内容について整理してみました。
◆雇用保険を受給していない人
@職業訓練の充実
正社員として就職するを希望する場合や離職等で再就職を
目指すとき、技術・技能のスキルがあると断然就職活動が
有利になってきます。
特に最近はITスキルがどんな業界でも必須であるため、
・ITスキル取得するための3か月コース
・新規成長や雇用が見込まれる分野への基本能力を習得する
6ヶ月〜1年コース
など、今までに実施されている職業訓練と合わせてスキル
アップの職業訓練が充実されています。
A職業訓練中の生活を支援する制度が充実
職業訓練を受けている期間は、収入が無いので生活する上
での不安がありました。そこで訓練期間中の生活保障として
単身者には月10万円、扶養家族がある人には月12万円の手当が
支給されるようになりました。
ですから、雇用保険の受給がない人も、将来に備えて
しっかりスキルアップのための職業訓練をうけることが
できるようになりました。
もし、子供がいて学費等に費用がかかる方でしたら、貸付
として上限で月8万円を借りることも出来ます。
◆雇用保険の対象となる人
企業側(雇用者)の都合で離職した非正規労働者、いわゆる
雇止めで職を失った非正規労働者の人たちに対して、
雇用保険の受給資格要件が緩和され、給付日数を解雇等に
よる離職者並みに充実した内容となりました。
@パートタイム労働者として半年以上働いていたのに、1年に
なる前に雇止めで失業した場合、失業保険は従来ではもらえ
ませんでした。これがパートタイム労働者も6ヶ月の雇用
言い換えると、6ヶ月の被保険者期間で雇用保険の受給資格
がもらえるように変わりました。
A会社の都合で解雇されたのに、事業主から渡された離職票
には自己都合で退職と書かれていた場合、泣き寝入りしたり
することはありません。
離職票の内容に不服のときは、失業給付申請でハローワーク
に出掛けたとき事情を正直に話して相談してみましょう。
ハローワークでは労働基準監督署とも連携して適切な処置を
とってもらえますので遠慮しない方がいいと思います。
B期限付きの契約労働者として働いていたところ、雇用先の
業績不振により契約更新がされず離職となった場合、雇用
保険の給付中に再就職先が見つかるか不安ですね。
このような雇止めで離職となった人で、地域の雇用情勢が
厳しい場合は失業保険の給付日数が60日分延長される制度
がありますので、ハローワークで相談されるのが良いと
思います。
◆会社が倒産して賃金をもらえないまま退職となった人
退職日の6か月前から退職した月までの未払賃金について
一定の範囲内で国が立て替え払いをしてくれる制度があります。
本来もらえるはずの給与や退職金が未払いとなり落胆して
いる人がいましたら、是非最寄りの労働基準監督署に出掛けて
相談するように教えてあげてください。
独立行政法人の労働者健康福祉機構という国の機関が倒産した
事業主に代わって未払い賃金を支払ってくれます。